全てが催眠暗示
催眠暗示の話をするとよく「催眠にかかりやすい人、かかりにくい人っているんでしょ?」という疑問を持たれる方がいます。
・・・。
・・・。
・・・。
催眠暗示は、人が人である限り、必ずかかります。かかりにくい人というのはいません。
かからない場合は、催眠誘導の仕方の相性、術師との相性、その場の空気等が問題なのであって、その人がかからないということではありません。
それに・・・。
今からむちゃくちゃを言いますが・・・。
催眠暗示にかかっていないように見える人も、実はガッチリ催眠暗示にかかっています。
そう。
催眠術にかからないという催眠暗示に。
例えば。
催眠暗示をかけて、最後に解くとします。催眠が解ける、催眠から覚める、つまりはかけらた催眠が無くなるということですが、実はこれ、催眠暗示が解けたという催眠暗示です。
解くと言いながら、結局、催眠暗示です。
だから、かからないのも催眠暗示(笑)。
難しいでしょうか。
立てない! って言って催眠暗示をかけておきながら、立てちゃうのは、確かに失敗、催眠にかかっていない状態に見えますよね。
でも、催眠にかかっているんですよ。これ。
以前。
あるイベントで、気功だったのかな、催眠暗示をかけているのを見ました。
背後から気功師が気を送ると、触れてないのに前に立っている人が吹っ飛ぶとか。
床に座っている女性に気功師が「立て」というと逆に立てないとか。
この「立てと言っているのに逆に立てない」の時に、気功師の方がおっしゃっていたのが「これは催眠術ではない」ということ。
なんでも「催眠術は『立てない』と言って立てなくするが、私は立てと言っているのに立てない」から催眠術ではないんだそうです。
・・・。
・・・。
・・・。
いやいやいやいやいやいや・・・・・・。
あなたが「立て!」って言ったら、立てないっていう催眠暗示でしょうよ・・・。
しかも、口では立てと言っておきながら、体は床に座っている女性に半ば大きかぶさるような前傾姿勢を取っています。
口では立てと言っておきながら、動きは明らかに立って欲しくないように見えます。
私が言いたいのは。
催眠誘導は言葉で行いはするものの、言葉がすべてではないため、言葉通りの催眠暗示がかかるわけではないということ。
ときどき間違って非言語で催眠が入っちゃうことがあったり、ペットボトルが重くて持ち上がらないって催眠暗示をかけると、ペットボトルが重くなるんじゃなくて、自分がお年寄りになって力が入らなくなり結果としてペットボトルが持ち上がらなくなる人がいたりすることからもわかります。
催眠暗示の内容と、言葉は必ずしも一致しないんですよね。
立てと言われて立てない、というのと、催眠にかけられればかけられるほどかからないというのは、ある意味同じ催眠暗示。
様々な催眠術師が「あなたは、私から、この場で、この催眠暗示にはかからない」って暗示を一所懸命にかけ、さらには「あなたは催眠にかからない人」って言ってのけるさまをみると、私は思います。
催眠にかからないって催眠をかけるの上手(笑)!!!!!!!
最後の「あなたは催眠にかからない人」って追い込み暗示は、見事としか言いようがありません。
少なくとも。
催眠は気持ちよかったり、楽しいものだという認識があって、それを多くの人に体験して欲しいと思っている催眠術師であるならば、こういう催眠暗示は避けたいものですね。
催眠は、自分でも信じられない力が発揮できたり、あこがれの芸能人が目の前に現れたり(幻覚ですが(笑))、ものすごい体験ができるのに、そういうものをあなたは体験できませんなんて残酷な暗示、私なら絶対にかけません。