ラポール

ラポールという言葉があります。

信頼関係を築くという意味で、ラポールを築くなどと使われます。

しかし、ラポールはそういう信頼関係を本当に意味しているのでしょうか。

例えば、メンタリストもラポールという言葉を使います。

ラポールを築いてメンタリズムがうまく行くようにする。

でもです。

例えば、今、テレビで流行のメンタリズムのババ抜き。

基本、メンタリストが相手を騙すゲームです。 そこに、何の信頼関係があるのでしょうか。
自分を騙そうという人に信頼を置くという状況が理解できないのは私だけでしょうか。

でも、あのゲームには、ラポールはあります。

つまり、ラポールは、本来、信頼を意味していないか、信頼に近い意味だったとしても、そう単純な意味ではないということです。

私はラポールを『○○だから○○である』と相手に認識されることだと考えています。

フォークが曲がるからメンタリストである。
メンタリストだから心が読める。
催眠術師だから催眠がかかる。
弁護士だから法律に詳しい。
先生だから正しい。

この中には、必ずしも正しくない○○だから○○も含まれていますが、実際、ラポールは正しい認識である必要はなく、世の中にこう思う人がいるのなら成立します。

ラポールは、人間関係だけに限りません。

スプーンは金属だから固い。
スプーン曲げには種も仕掛けもないから、他のメンタリズムにも仕掛けが無い。
ブランドだから良いものだ。

ものごとの認識にもラポールはあるのだと思います。

スプーンの例えはさておいても、ブランドだから良いものだについては、ブランドに信頼のごときものを置いていますよね。

結局のところは、ラポールを築くとは、私は『思い込みを創っていく作業』なのかなと考えます。

逆に営業マンに関していえば、『営業マンだから何か売りつける』と思われている状態がすでにラポールだと私は思います。

だから、そこでお客さんと信頼関係を築いてものやサービスを売る、というのは無理があります。

別のラポールを築く必要があります。

私が催眠をかけるまでの流れで言えば
『スプーンが曲がる人だから不思議な力がある』
『不思議な力がある人だから、催眠術が出来ても不思議ではない』
『毒が無い雰囲気の人だから危 険なことはしない』
『危険なことはしない人だから催眠にかかっても大丈夫』
っていう『だから』の積み重ねです。

もちろん、それだけではなく、本業が固い仕事だからとか、他にも細かい『だから』はあると思います。

ラポールには、信頼という意味も含まれているのでしょうが、ラポール=信頼と捉えてしまうと、必要以上にへりくだったり、ムダに相手に合わせたり、迎合したりという行動にでてし まうこともあり、本当に築きたい、築くべき人間関係は築けないのではないでしょうか。

やなぎともあき

柳 知明
(やなぎ ともあき)

・行政書士
・メンタリスト
・催眠術師

 真のメンタリストとは「人の心を読み暗示にかける者、思考と行動を操作する者」のことであると信じ、究極の暗示である催眠とメンタリズムを組み合わせたパフォーマンスを行う。


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