催眠にかからない人
催眠術師の中で、催眠が入らなかったときに「あなたは入らないタイプ」と口走ってしまう術師がいます。
人間が人間である限り、催眠暗示に入らないということはあり得ません。
催眠暗示が入らない時は、何かの理由があって入らないだけであって、入らない人だということは絶対にありません。
催眠そのものが、そもそも、自己暗示であって、術師がかけているのではなく、術師の誘導によってかかる人が自分で自己暗示をかけているに過ぎません。
だから、催眠に入るか入らないかというのは、催眠術師が判断することではありません。
かかる人が、催眠術師の誘導に乗るかどうかを判断するのだから、全ての決定権はかかる人にあります。
・・・なのに、催眠術師が相手に対してあなたはかかるタイプ、あなたはかからないタイプなんて決めつけを口走ってしまうのは、術師としての驕りがあると言わざるを得ません。
驕っているからこそ、相手と信頼関係が築けず、結果として催眠にかけられず、負け惜しみとして「あなたはかからないタイプ」と言っていまうのです。
それは、営業マンが自分の商品が売れなかったときに、自分のやり方を省みずに、相手に対して「このビンボー人が!!」って口走ってしまうのとほぼ同じです。
たとえ買ってもらえなくても、どこでお客さんになるのかわからないのだから、気持ちよく商談を終えるべきなのと同様、催眠も、その時はかからなくても、かからないタイプだなんて呪いをかけないようにしたいものです。